2018-11-03

伊賀三枝子写真展「小さな風の物語」

伊賀三枝子写真展「小さな風の物語」

20代後半より写真を始める。主にモノクロームフィルムで「風」の風景を追う。
東日本大震災の後、7年ほど写真から離れていたが、時間を置いたことで見えてきたことがある。
私にとって 写真は日常をリセットしてくれる大切なHealing。
和紙への プリントは私の夢だった。今回は銀塩とは違うモノクロームの魅力を感じて頂けたらと思う。

会期:2018年11月18日(日)~ 11月24日(土)
12:00~19:00 (最終日は17:00まで)

会場:アートギャラリー石
〒104-0061 東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル206号
TEL:03-3561-6565


作家コメント

東北自動車道を一路南へ。約1時間半のドライブ。目的地は那須高原。1992年から通い続けるcafeがある。那須インター出口2kmの標識が現れるとすぐ右手に那須連峰の山々が見え、その山々を背景に縦一列に並ぶ木立。

その木立を撮りたくて何時間も探し、辿りつたあの時の感動が忘れられない。通い慣れたcafeへの途中、こうして新たな立ち寄りスポットがくわわった。春は肥しの匂い。夏は牧草の蒸せる匂い。秋は干し草の匂い。

そして、冬。真っ白な大地を翔ける「風」の匂い。四季折々の一期一会に夢中になった。

 

今回ご覧頂く写真は2011年以前に撮影したものです。那須をメインに、遠くは八重山、美瑛の「風」の風景も何点かあります。

2011年3月。”あの日”を境に、それまで夢中で追いかけていた「風」の風景を見失い、この7年ほど写真から離れていました。仕事や家庭のストレスで歯車が狂い出していた同時期でした。しかし時間を置くことで考えさせられたことや見えてきたことがあります。根拠のない自信だったり傲慢さだったり…。不確かな何かにアグレッシブだったり…。そしてこの間、自分と対峙したことで、心の断捨離というのでしょうか、無駄なものを削ぎ落すこととレジリエンス力の大切さ -木に例えると、強風にふかれても折れない枝のような、しなやかな心を持つこと- を実感しました。

従来の銀塩のイメージとは違う写真から、しなやかさの表現の過程を感じていただけたら幸いです。

心はまだ回復の途上にあります。これから何年続けられるか未知ですが、ゆっくり丁寧にシャッターを切りたいと思います。


作家略歴

福島県南相馬市出身。
20代後半より写真をはじめる。
徐々にモノクロ写真の魅力にはまり、現在に至る。カメラワークをはじめモノクロプリントはいわき市在住の写真家や都内で開催されたワークショップに参加し少しづつ覚える。

200111月~3月 東京写真文化会館 鈴木秀ヲショートゼミナール参加
2002年 4 グループ展 東京写真文化会館STAGE (赤坂)
2003年 4 グループ展 暮らしの伝承郷 (いわき市)
2004年 1月 グループ展 Galerie JUILLET (高円寺)
2005年 10月 グループ展 cafe ユイット (新宿)
2005 12 個展 Optical Yabuuchi (福島市)
2008年 7 グループ展 天心記念五浦美術館 (北茨木市)
2010年 3 個展 珈琲舎 ( 福島市)


企画 一般財団法人 戸部記念財団